建設業で沖縄の顧問弁護士をお探しの方へ

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本記事について

①沖縄の建設業の法的特徴について

まず、建設業では、どのような法的特徴があるのでしょうか。

弊所は、建設業者の顧問先を複数有しており、このページは、企業法務に詳しい弁護士が解説していきます。

結論から記載すると、建設業の法的特徴は、
i行政規則の遵守の必要性が高いこと
ii労働管理が重要であること
iii顧客等と良好な関係を維持する必要があること

i行政規則の遵守の必要性が高いこと

まず、第一に建設業は、行政規制を遵守する必要が高く、遵守しなかった場合には思い制裁が用意されている業界であるという特徴があります。

建設を行うにあたっては、建設業法や請負に関する法律・ガイドラインを遵守する必要があります。

例えば、建築業法においては、一括下請け(ある業務を請け負った会社がそのまま下請けに業務の丸投げを行うこと)が禁止されています(建築業法22条)。

一括下請けが禁止されている理由は、
①最初の建築業者を信頼して依頼した発注者の信頼を裏切ることになってしまうことと、
②実際には工事に携わらない業者が複数関わってしまうことで、工事品質が下がってしまう可能性を防ぐ必要があるため、です。

そのため、一括下請け規定に違反すると、営業停止処分という、事業者にとっては非常に重い処分が課せられることとなっています。

それでは、どのような行為が一括下請けに該当するのでしょうか。

これについては、国土交通省の通達(「国土交通省H28年10月14日」)で詳しく定められており、判断基準に関しても詳細な基準が規定されています。
建設業者が、うっかり一括下請けによる制裁を受けないようにするためには、このような詳細な規定を読み込む必要があるのです。

他にも、建設業法違反をしてしまうと、指示処分や許可取消処分となるものもあるため、建築業は、比較的法的規制が厳しい業界であると言えるでしょう。

スムーズに業務を遂行するためには、法令違反をしていないかどうか適宜確認を行い、遵守することで、法的リスクを減少させる必要性が高いと言えるのです。

ii労務管理が重要であること

次に、建設業の特殊性として、労働管理が重要であるという点も挙げられます。

工事現場では、労働者の人命や安全に関わる作業が多くなるという特徴を有しています。

そのため、工事現場での安全管理や、危険物の取り扱いに関しては、厳格なルールが定められているのです。

建築業者は、労働基準法や労働安全衛生法などに則って工事を行う必要があるのです。

iii顧客や他社と良好な関係を維持する必要があること

また、法的規制や労働者との関係に加え、顧客との関係も重要となるのが建設業の特徴点です。

将来の紛争を防ぐために、納期や施工方法などに関して、事業者間で詳細なルールを予め定めておくことも大切になります。

以上のように、建設業界は、法令遵守や契約締結の重要性が高い業界であるといえるのです。

今回は、建設業において発生しやすいトラブルや、建設業界特有の法的問題に対して弁護士ができることを、企業法務に強い弁護士が解説します。

 

②建設業者が注意を配るべき法務分野

(1)建築業法

まずは、上でも解説した建築業法、及びその関連法が重要な法務分野であるといえます。

建築業は、誰でもできる事業ではなく、許可制の業種です。
そのため、建設業者は、建築業法に基づいて、許可や届出の手続きを遵守し、法令に準拠した営業活動を行う必要があります。

営業停止処分や、行政からの指導監督を受けてしまうと、現に受注している事業が進まなくなることに加え、将来の事業にも支障が出てしまうことがあります。

(2)労務関係法令

労務関係とは、従業員(労働者)に関する法務分野のことをいいます。

具体的には、労働基準法や労働者派遣法、社会保険法などの法令が関係してきます。

建設業界の労働環境の特殊性については、上でも簡単に述べましたが、労働内容に危険なものが多く含まれる点が、他の業界と比べたときの大きな特徴であると言えるでしょう。

建設事業者の経営者の方々はご存知のとおりだと思いますが、建設現場では、高所作業や重機操作、危険物の取り扱いなど、労働者の人命や安全に直結する作業が頻繁に行われます。

そこで、建設業界は、他の業種と比較して労働災害や事故の発生リスクが高くなります。

実際に、建設業労働災害防止協会が発表している「業種別の死亡災害発生状況」においては、建設業が全産業のうち3割以上を占めており、他の業種の中で一番死亡災害事故の発生割合が大きいという状況となっています。
更にその中でも、建設工事での死者割合は5割近くを占めており、建設業界内でも最大割合を占めています。また、土木工事の3割を合わせると建設業全体の8割を占めています。

また、一般社団法人 全国建設業労災互助会が公表している令和2年度のデータによれば、建設業の死亡事故の原因としては、第一位が転落墜落、第二位が転倒、第三位が挟まれ・巻き込まれ事故となっている状況はここ数年間変動しておらず、非常に高い割合を占め続けています。

建設事業者によって、適切な労働管理が行われない場合、労働者の生命安全が直接脅かされる可能性が高い業種であると言えるのです。

そのため、長時間労働や賃金未払いなどの労働法に関する法的リスクが、比較的高い業種であるといえます。

そこで、建設事業者には、過重労働や、未払い残業代が発生しないよう、適切な労働管理を行うことが求められているといえるでしょう。

具体的には、適正な労働条件の提供、雇用契約の作成、適切な人事評価制度の導入、労働時間の適正化などの対応を行い、法令を遵守することが必要となってきます。

例えば、労働基準法では、労働者の労働時間や休憩時間を定めている法律です。

そのなかの、労働時間に関する規制について見てみると、労働基準法に定める労働時間の原則は1日8時間、1週40時間とされています。

これを法定労働時間といいますが、この規定に違反すると、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰則が課せられる場合があるのです。

法定労働時間以上の作業を従業員に課してはいけないということが法律で定められているのです。 
(注 もっとも、労使協定という労働者との間の取り決めを行い、適切に労働基準監督署にこの協定を締結している場合は、法定労働時間以上の労働をおこなって貰うことができるという制度もあります。)

そのため、事業者は、労働者がこの労働時間を超えて労働をすることが無いように、適切な労務管理を行わなければなりません。

また、労務関連法令のリスクは、賃金などの問題だけではありません。

過重労働によって従業員が健康被害を被った場合、いわゆる労災事故に発展し、従業員との紛争が生じるリスクが高まってしまうのです。

建設事業は、サービス利用者の入浴や、清潔を保つ作業などにより、腰などの体に影響が出る作業も多く存在します。
働いていることによって、健康を害してしまった場合、その従業員と争いになる可能性が高くなるほか、行政からの指導などもはいる可能性がでてくることになります。

以上のような理由から、建設業者は、労働法務分野には、十分な注意を払う必要があると言えます。

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(3)契約関係

契約書は、どの事業においても重要な文書です。

契約書は、今起こっているトラブルを解決する道具でもありますが、将来の紛争を防ぐ役割も持っています。

金額や関係先が多くなる建築業界でも、民法をはじめとする契約関係法務には注意を支払うべきであると言えるでしょう。

弁護士による契約書のチェックについては、「契約書レビュー」のページをご参照ください。

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弁護士による契約書のチェック・作成について

③建設業において発生しやすいトラブル

それでは、建設業で発生しやすい法的トラブルにはどういったものがあるのでしょうか。

一般的に、よく起こる法的トラブルとしては、以下のようなものが挙げられます。

(1)建築業法などの法令違反によるトラブル

上で説明したように、建築業界においては、建築業法や、国土交通省からの通達、ガイドラインなどによって、建築業者が従うべきルールが詳細に定められています。

また、業界では請負契約(建物の完成を目的として、業務を依頼すること)が締結されることが一般的ですので、下請法に関するルールも適用されます。

建築業法や下請法などの規定に違反すると、行政からのペナルティを受けてしまったり、業界内部での信頼を失ったりする可能性があります。

(2)労働者の安全管理に関するトラブル

建設業界の労働者に関しては、高所作業や重機を使った危険な作業が多く存在していることが特徴的です。

そのため、建設業においては、安全規制が非常に厳格に定められています。
これを遵守しない場合は罰則が定められており、制裁が科される恐れがあるほか、実際に事故が発生した場合には、事故原因や責任をめぐり紛争に発展する可能性があります。

また、多数の労働者が関与するため、最低賃金法違反や、残業代未払いなど、労働者との一般的なトラブルも起こり得ます。

(3)建設工事の遅延や不備による紛争の発生

建設工事は、完成までにある程度の工期が必要となりますが、各工程において工期が定められていることが一般的であり、建築物自体の品質担保も重要となります。

工期遅延や、施工不備が生じることで、発注者や工事受注者間で紛争が発生することとなるのです。

また、一言に施工不備と言っても、原因は様々であり、工事の工程が多数に及ぶため、責任追及が複雑になっていることも特徴です。

例えば、不適切な材料や設備の使用、建築業者や設計業者のミス、品質管理上の欠陥などが原因で紛争が発生することがありますが、多数の契約関係を紐解き、誰がその材料を使用することを決めたのか、誰が品質管理上の責任を負っていたのか、といったことを明らかにする必要があるのです。

④建設業特有の法的問題に関して弁護士ができること

それでは、弁護士にはどのようなことを期待できるのでしょうか。

結論から伝えると、弁護士は様々な分野を横断して、網羅的なアドバイスを行うことができるといえます。

(1)法令違反リスクの減少

まず、建設業法や関連法令の適合性について、法的チェックを受けることが期待できます。

弁護士であれば、建築業法のみならず、その関連法令である施行規則、通達、過去の判例に至るまでを網羅的にリサーチすることができます。
法令違反のリスクを洗い出スことができるのです。

法令違反のリスクを減少させることで、行政からのペナルティを回避するというメリットを得られるだけでなく、業界内部での信頼を保持することができるため、コンプライアンス遵守の姿勢は、円滑な業務遂行や、会社の事業規模拡大にも繋がるといえます。

(2)契約書作成・チェックによる紛争予防

また、契約書に関する法的アドバイスを受けることもできます。

建設業においては、契約書によって請負工事の内容や工期、価格などが定められることが一般的です。

契約書は、ビジネスにおいて非常に重要な文書ですが、難解な法律用語が使用されていたり、条項が複雑に入り組んでいたりして分かりにくいものもあります。

一見しただけではリスクが判断できず、気づかぬうちに不利益な条項が入った契約を締結してしまうと、後々の紛争につながることになります。

弁護士に契約書の作成や契約書チェックを依頼することで、不利益な条項を削除したり、より有利な条項の提案を受けたりすることが可能となります。

また、不明確な条件を明確化し、分かりやすい契約書を締結することは、取引先との不信感を減らすことに繋がり、双方にとっての法的リスクを減少させることになります。

(3)紛争発生後の交渉や訴訟代理の依頼

例えば、工事の品質不良や納期遅延、支払い遅延などのトラブルが実際に起ってしまった場合、弁護士には、任意交渉や調停以外にも、訴訟代理を依頼することができます。

弁護士には、発注者や業者間とのトラブルのみならず、労働法や労働紛争に関しても依頼することができ、幅広い分野をカバーしてもらうことが期待できます。

トラブルの段階に応じて、様々な形で、企業の利益を守るために努めてもらえるのです。

⑤建設業者が弁護士に相談を依頼するメリット

上記で述べたように、建築業は、様々な法令を遵守して事業を遂行させなければなりません。

違反すると、営業停止処分や、刑事罰など、重い制裁が設けられている行為も存在します。

また、行政的な分野だけに気を配ればよいというわけでなく、事業者間、労働者との関係など、様々な分野に法的リスクが存在しているといえます。

そのため、建築業は、法的トラブルが起こりやすい業界といえるのです。

弁護士は、そのような建築業の企業にとって、いわばワンストップサービスの窓口になることができます。

多岐にわたる法令を取り扱うことができるため、多様な分野の法的サービスを依頼することができます。

弁護士を上手に活用することで、企業は法的なリスクを軽減し、適法かつ健全なビジネスを展開することが期待できます。 

紛争発生のリスクが高く、コンプライアンス遵守が求められる業界だからこそ、企業法務に強い弁護士事務所への依頼をご検討ください。
当事務所へは、お気軽にお問い合わせください。

 

⑥建設業者が顧問弁護士を活用するメリット

それでは、建設事業者が、顧問弁護士を活用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
顧問弁護士は、企業の内情や、今までの取引状況から、会社の風土事情、経営者の性格に至るまでを把握しています。

事業者にとって、顧問弁護士を活用することは多くのメリットがあるといえますが、いくつか見てみましょう。

1 スピーディな対応が期待できる

 顧問弁護士は、事業者の業務内容を把握しているため、1から事情を説明する必要がなく、スムーズかつスピーディな対応が期待できます。
また、顧問契約の内容によっては、定期的に面談を行うことも顧問契約内容に含まれています。
社内で、特にトラブルが生じていない場合でも、このような面談を利用することで、会社では気づいていなかった潜在的なリスクを洗い出してもらうことができ、法的紛争を未然に防ぐことができまるのです。

2 企業の業務に専念できる

 顧問弁護士が法務上の問題に対応することで、経営者の方々は本来の業務に専念することができます。
特に、元従業員との労務トラブルなどは、相手方が感情的になっている場合も多く、精神的、時間的負担が大きい一方、企業成長には繋がりにくいという特徴があります。

法的紛争の解決方法には、任意交渉や調停、訴訟など、たくさんの手法がありますが、どの選択肢がベストなのか判断することは、専門家でなければ難しいという側面もあります。

顧問弁護士という法の専門家に、法務問題を対応してもらうことで、経営者の方のお悩みとリスクを減らすことができるといえるでしょう。

3 費用の削減が期待できる

顧問弁護士と契約することで、一定期間にかかる費用が予め決まることになるため、事業者は予算管理がしやすくなるというメリットもあります。

また、法的トラブルが起きた後に、新たに自分と合う弁護士を探す場合、時間も手間もかかります。

せっかく法律相談費用を支払ったのに、こちらが求めていない解決方法を提案されてしまう場合もあります。

一方、顧問弁護士であれば、日々経営者のお悩みに寄り添っており、プランによっては一定時間の法律相談が顧問料に含まれているものあります。

4 コンプライアンス意識が高まる

例えば、従業員向けのセミナーや、研修などを、顧問弁護士が行うことで、企業のコンプライアンス意識が高まります。

企業のコンプライアンス意識の上昇は、従業員の定着や、業界内での信頼の獲得に直結し、企業経営拡大につなげることができます。

以上のように、建設業を営む事業者にとっては、法的なトラブルを未然に防ぐためにも、弁護士に顧問を依頼することが有益と言えます。

弁護士による顧問契約を結ぶことで、建設業界における法的な問題に迅速かつ適切に対応することができるといえるでしょう。

⑦建設業における当事務所の強み

弊社は、沖縄県内にて、10年以上にわたり、企業法務をメインに弁護士業務を行っております。

また、県内外には、数十社に渡る顧問企業を有しております。

建設業者も複数社、弊所が顧問弁護士を努めております。

そのため、沖縄県内独特の企業の内情や、建設事業者のビジネス慣行について深い知識を有している弁護士が複数名在籍しております。

事業特有の経営者のお悩みに寄り添った解決策を提案することができると自負しております。

▼建設業の事業者への顧問先インタビューはこちらから▼

顧問先様の声 有限会社山城土木工事様

⑧お問い合わせ

弊所は、建設事業者様の顧問契約について、常時ご依頼、ご相談を受け付けております。

企業法務に精通した弁護士が、トラブルの解決のために全力を尽くします。

もし、お悩みになられている経営者の方がいらっしゃれば、お気軽に相談にお越しください。

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    Last Updated on 2024年4月11日 by roudou-okinawa

    所属弁護士6名この記事の執筆者
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    弁護士法人ニライ総合法律事務所は、実績豊富な6名の弁護士で構成されています。このうち3名は東京で弁護士活動してきた経験を持ち、1名は国家公務員として全国で経験を積んできました。

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